膀胱,腟浸潤を伴った壁外発育型直腸粘液癌の1例

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  • A Case of Rectal Mucinous Carcinoma with Extramural Progression Associated with Vesical and Vaginal Invasion

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抄録

大腸癌は通常内腔に発育する.しかし,稀に壁外に特異的に発育する大腸癌を認め,壁外発育型大腸癌と呼ばれている.われわれは壁外発育型直腸粘液癌を経験したので報告する.症例は57歳,女性.不正性器出血を主訴に婦人科を受診し直腸癌腟浸潤が疑われ紹介となった.下部内視鏡検査では肛門縁より8cmに2型腫瘍がみられ,CT,MRI検査では上部直腸に8×6cm大の腫瘍を認め,膀胱後壁および腟浸潤が疑われた.直腸癌,膀胱腟浸潤を疑いHartmann手術,膀胱部分切除術,腟合併切除術を施行した.病理検査はmuc,AI,N0,H0,P0,M0,Stage IIであった.術後第20病日に軽快退院し,stage II,High RiskでありXELOXを6ヵ月間施行した.術後17ヵ月経過するが再発なく通院中である.壁外発育型大腸癌は局所進展傾向は強いが,転移能は比較的低い病態であり,積極的な外科的治療が重要であることが示唆された.

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