疾患プロテオミクスの最前線―消化器領域の新しい疾患マーカー探索への応用―

  • 野村 文夫
    千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学,千葉大学附属病院検査部・遺伝子診療部

書誌事項

タイトル別名
  • Frontiers of Clinical Proteomics - Approach of Clinical Proteomis to Search for New Marker in the Region of Digestive Disease

抄録

ポストゲノム時代となり,発現しているすべての蛋白質を網羅的に解析するプロテオーム解析の臨床応用がはじまっている.本稿ではまず,プロテオームの定義,血清プロテオームの特徴,プロテオーム解析の代表的な手法について述べた.その解析には質量分析法と二次元電気泳動法を有効に組み合わせることが不可欠である.筆者らは血清,血漿,尿,脳脊髄液などの体液や腫瘍組織などを対象とした包括的プロテオーム解析による新しい疾患マーカーの探索に取り組んでいる.これまでに得られた知見のうち,消化器・肝胆膵疾患に関連するものとして,1)習慣飲酒により減少する血清マーカーでγ-GTPのノンリスポンダーの検出にも役立つと期待されるペプチド,2)膵癌切除術前後の血清の比較プロテオーム解析により見出され,その予後に関連すると考えられるアポC1,3)食道がん切除組織の癌部・非癌部の蛍光標識二次元ディファレンス電気泳動法解析結果,について述べた.<br>

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参考文献 (10)*注記

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