ヒトにおける<SMALL>D</SMALL>-タガトースの一過性下痢に対する最大無作用量, 有効エネルギー量ならびに生体における利用性

  • 山崎 優子
    長崎県立大学シーボルト校大学院人間健康科学研究科 十文字学園女子大学人間生活学部食物栄養学科
  • 中村 禎子
    長崎県立大学シーボルト校大学院人間健康科学研究科
  • 志村 二三夫
    十文字学園女子大学人間生活学部食物栄養学科
  • 奥 恒行
    長崎県立大学シーボルト校大学院人間健康科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Maximum Permissive Dosage for Transitory Diarrhea, Estimation of Available Energy, and Fate of <SMALL>D</SMALL>-tagatose in Healthy Female Subjects
  • ヒトにおけるD-タガトースの一過性下痢に対する最大無作用量,有効エネルギー量ならびに生体における利用性
  • ヒト ニ オケル D-タガトース ノ イッカセイ ゲリ ニ タイスル サイダイ ムサヨウリョウ,ユウコウ エネルギーリョウ ナラビニ セイタイ ニ オケル リヨウセイ
  • Maximum Permissive Dosage for Transitory Diarrhea, Estimation of Available Energy, and Fate of D-tagatose in Healthy Female Subjects

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抄録

健常成人女性へD-タガトース (TAG) を摂取させ, 一過性下痢に対する最大無作用量を測定した。次に, TAG 摂取による血糖値およびインスリン濃度への影響, TAG の血中濃度および尿中排泄量ならびにTAG 摂取後の呼気水素ガス排出量を測定し, TAG の小腸からの消化・吸収性ならびに大腸における発酵性, 腸内細菌による資化性などを観察し, D-タガトースの生体における運命を検討した。TAG の最大無作用量は0.25 g/kg体重で, D-ソルビトールと同程度であった。TAG 5 gおよび10 gを摂取させた場合, TAG 血中濃度は検出限界以下であった。また, 摂取後6時間までの尿中排泄量は摂取量の2%以下であった。血糖値および血清インスリン濃度はTAG 摂取によって変化せず, 呼気水素ガス排出はTAG 5 g摂取では観察されず, 10 g摂取で明らかに増加した。しかし, フラクトオリゴ糖の同量摂取に比べると量的に少なく, 排出開始時間は遅延した。また, ヒト糞便培養実験におけるTAGからの有機酸生成量は少なく, 大腸へ到達したTAG が腸内細菌によってわずかに短鎖脂肪酸へ代謝されることが示唆された。以上の結果, TAG 10 g摂取では下痢は誘発されず, 5 g程度が小腸から吸収され, 摂取量の2%程度が代謝されずに尿中へ排泄されると推定された。これらの結果に基づいてTAGの有効エネルギー量を推算したところ, TAGのエネルギー換算係数は2 kcal/gに分類された。

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参考文献 (28)*注記

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