血液透析への導入を契機に発見された後天性血友病Aの1例

• 米森 雅也

  鹿児島大学大学院医歯学総合研究科泌尿器科学分野

• 速見 浩士

  鹿児島大学医学部・歯学部附属病院血液浄化療法部

• 松下 良介

  鹿児島大学大学院医歯学総合研究科泌尿器科学分野

• 大橋 保

  鹿児島県立薩南病院内科

• 谷口 賢二郎

  鹿児島大学医学部・歯学部附属病院血液浄化療法部

• 牟田 裕美

  鹿児島大学医学部・歯学部附属病院血液浄化療法部

• 佐がた 芳久

  鹿児島大学医学部・歯学部附属病院血液浄化療法部

• 山田 保俊

  鹿児島大学大学院医歯学総合研究科泌尿器科学分野

• 榎田 英樹

  鹿児島大学大学院医歯学総合研究科泌尿器科学分野

• 中川 昌之

  鹿児島大学大学院医歯学総合研究科泌尿器科学分野

書誌事項

タイトル別名

• A patient with acquired hemophilia A diagnosed during the induction period of hemodialysis: A case report
• 症例報告 血液透析への導入を契機に発見された後天性血友病Aの1例
• ショウレイ ホウコク ケツエキ トウセキ エ ノ ドウニュウ オ ケイキ ニ ハッケン サレタ コウテンセイ ケツユウビョウ A ノ 1レイ

抄録

症例は73歳，女性．高血圧，糖尿病，慢性関節リウマチ，慢性腎不全の診断にて前医で外来治療を受けていた．2007年6月から全身性の浮腫が増悪し，貧血の悪化と腎不全が進行したため前医に入院し，血液透析へ導入された．透析導入後のバスキュラーアクセスは両側大腿静脈の直接穿刺が施行されていたが，穿刺部である左大腿部に巨大な血腫が生じ，同時に左膝関節内出血と消化管出血が認められた．血液検査にて活性化部分トロンボプラスチン時間の延長，第VIII因子の低下が認められ，さらに抗第VIII因子抗体が39BU／mLと高値であったため，後天性血友病Aと診断された．当院に転院した後，バスキュラーアクセスカテーテルを右大腿静脈に留置し，週3回4時間の維持透析を継続した．出血性の症状に対する治療のために活性化プロトロンビン製剤を使用し，免疫学的療法として副腎皮質ホルモンの内服を開始した．出血傾向が改善した後，内シャント造設術を施行した．後天性血友病は徐々に改善し，内シャントの使用を開始した後，前医に転院した．血液透析を契機に後天性血友病が発見されるのはまれであり，血液透析や内シャント手術を実施するためにも，出血傾向をコントロールすることが重要であると考えられた．

収録刊行物

• 日本透析医学会雑誌

  日本透析医学会雑誌 45 (6), 501-505, 2012

  一般社団法人 日本透析医学会

キーワード

• 内シャント造設
• 血液透析導入期
• 後天性血友病A

詳細情報

• CRID: 1390001204677829760
• NII論文ID: 10030814242
• NII書誌ID: AN10432053
• DOI: 10.4009/jsdt.45.501
• ISSN: 1883082X
• ISSN: 13403451
• NDL書誌ID: 023869948
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I023869948
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012342975
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可