高齢女性ATP感受性心房頻拍の2症例

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  • Two cases of ATP-sensitive atrial tachycardia

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抄録

症例1は, 77歳, 女性. long RP' tachycardiaで, P波の極性は下壁誘導で陰性, V1誘導では陽性から陰性の2相性, I, aVL誘導では陽性であった. 頻拍中の心房最早期興奮部位はHis束であった. ATP急速投与(5mg)でA-H間隔およびA-A間隔が徐々に延長して頻拍が停止した. Activation mapでは, His束は, やや上方からのfocal patternであった. Focus近傍で低電位領域(<0.5mV)が認められ, これに, ほぼ一致して伝導遅延が認められた. <BR>症例2は, 87歳, 女性. long RP' tachycardiaで, P波の極性は下壁誘導で陰性, V1誘導で陰性から陽性の2相性, I, aVL誘導では陰性であった. 頻拍中の心房最早期興奮部位は冠静脈洞(CS)遠位とCS近位に認められた. ATP急速投与(5mg)でA-H間隔が徐々に延長したが, A-A間隔はほとんど延長せずに頻拍は停止した. Activation mapで頻拍は僧帽弁輪前壁中隔側からのfocal patternであった. Focus近傍で低電位領域(<0.5mV)が認められ, これに, ほぼ一致して伝導遅延が認められた. 両症例ともに高周波アブレーションで根治できた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (SUPPL.4), S4_12-S4_19, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

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