頭蓋底髄膜腫に対する術前塞栓術の有用性

  • 西尾 明正
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 三橋 豊
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 後藤 剛夫
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 石橋 謙一
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 一ノ瀬 努
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 川上 太一郎
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 森野 道晴
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科
  • 大畑 建治
    大阪市立大学大学院医学研究科 脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Preoperative embolization for skull base meningiomas

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抄録

【目的】頭蓋底髄膜腫に対する摘出前塞栓術の有用性について検討した.【対象および方法】後床突起部,海綿静脈洞部,錐体部の頭蓋底髄膜腫で,術前主栄養血管塞栓術を行った17例(A群)および主栄養血管塞栓術が不可能または意図的に施行しなかった24例(B群)を対象とした.主栄養血管を同定し,栄養血管塞栓術後のCreactive protein (CRP)値の変化,MRI所見および術中所見を2群間で比較検討した.【結果】血管撮影を施行した31例中,主栄養血管が内頚動脈系であったものが19例,外頚動脈系であったのものが10例で,腫瘍陰影を認めなかったものが2例であった.A群17例中13例で塞栓術後CRPは高値を示し,非主要栄養血管塞栓術に終わったB群の7例ではCRPの上昇を認めなかった.MRIでの造影効果の減少は,A群17例中11例で認められ,B群のうち補助的栄養血管の塞栓術を行った5例中の2例に認められた.術中所見で腫瘍の柔軟化や無血管野がA群17例中10例で認められ,B群では24例中4例のみに認められた.【結論】頭蓋底部髄膜腫では内頚動脈髄膜枝が主栄養血管となり外科的摘出が困難な腫瘍が多いため,内頚動脈髄膜枝の術前塞栓術は,その軟化と無血化により,有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 脳神経血管内治療

    脳神経血管内治療 3 (3), 165-173, 2009

    特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

参考文献 (13)*注記

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