空気清浄機の生成する室内気流と花粉挙動のシミュレーション

  • 橋本 明憲
    群馬大学大学院工学研究科電気電子工学専攻
  • 高橋 俊樹
    群馬大学大学院工学研究科電気電子工学専攻
  • 松本 健作
    群馬大学大学院工学研究科社会環境デザイン工学専攻
  • 鵜崎 賢一
    群馬大学大学院工学研究科社会環境デザイン工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Simulation of indoor air flow created by an air purifier and particle tracking calculation for pollen grains
  • クウキ セイジョウキ ノ セイセイ スル シツナイ キリュウ ト カフン キョドウ ノ シミュレーション

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抄録

家庭に於ける花粉除去手法として最も普及しているのは空気清浄機である。SubGrid-ScaleモデルとしてCoherent Structure Modelを用いたLES,粒子挙動シミュレーション,及びその解析や可視化を行う自作ソフトウェア群Computational fluid dynamics and Aerosol Motion Property Analysis Suite(CAMPAS)を開発し,縦5 m横5 m高さ2.5 mの室内床面中央に配置した前面吸気上面排気型の空気清浄機による,スギ花粉挙動を解析した。その結果,このモデルの空気清浄機は,室内に一様分布させた花粉の4割程度しか吸入できず,5割強の花粉を落下させてしまうことが分かった。また,空気清浄機の吸気面以外の面である側背面や,部屋壁面に花粉が衝突し,落下しやすいことが明らかになった。空気清浄機の吸気面前方領域に存在する花粉は吸入しやすく,また,後方領域の花粉も排気により再度上昇させることで吸入できることが判明した。空気清浄機が吸入しやすい,吸気面からの方位角θや仰角φが存在する。この角度の値は吸排気モデルに依存すると考えられる。従って,空気清浄機の吸排気仕様を変化させ,花粉を吸入できる領域を拡大することで,花粉除去率のさらなる向上が期待できる。

収録刊行物

  • 室内環境

    室内環境 15 (2), 147-161, 2012

    一般社団法人 室内環境学会

被引用文献 (1)*注記

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