修正大血管転位症の診断

  • 小山 耕太郎
    岩手医科大学医学部小児科学講座 岩手医科大学附属病院循環器医療センター循環器小児科

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis of Congenitally Corrected Transposition of the Great Arteries

抄録

本症は心房-心室関係と心室-大血管関係の両方が正常の逆を示す疾患である. 2段階の不一致によって血液循環は生理学的に修正されるが, 約90%の例に合併病変がみられる. 症状の出現時期は合併病変の種類と程度によって胎児期から高齢者までさまざまであるが, 加齢とともに体心室としての右室の機能低下や三尖弁閉鎖不全, 不整脈が認められるようになることから, 早期の評価と治療介入が求められる. 特有の解剖学的所見として, 心房中隔と流入部心室中隔が整列しない, 左室流出路が僧帽弁と三尖弁の間に深く嵌り込む, 心房位が正位の場合, 大動脈が肺動脈の左前方に位置する, 刺激伝導系が異常である等がある. これらの解剖学的特徴と合併病変とを理解したうえで, 診察と胸部X線, 心電図, 心エコー図, MRI, MDCT等の検査を組み合わせて診断する. 特に心エコー図は区分診断法によって基本形態を明らかにするとともに合併病変の評価が可能であることから本症の診断に最も大きな役割を担っている. 心エコー図による右室機能の定量評価が今後の課題である.

収録刊行物

参考文献 (21)*注記

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詳細情報

  • CRID
    1390001204673049728
  • NII論文ID
    130002591129
  • DOI
    10.9794/jspccs.28.73
  • ISSN
    21872988
    09111794
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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