ゴリムマブ（シンポニー^®）の薬理学的特徴および臨床試験成積

• 藤井 秀二

• 村上 善紀

• 原田 寧

書誌事項

タイトル別名

• Pharmacological and clinical profile of golimumab （Simponi^®）
• 新薬紹介総説 ゴリムマブ(シンポニー)の薬理学的特徴および臨床試験成績
• シンヤク ショウカイ ソウセツ ゴリムマブ(シンポニー)ノ ヤクリガクテキ トクチョウ オヨビ リンショウ シケン セイセキ
• Pharmacological and clinical profile of golimumab （Simponi^|^reg;）

抄録

抗TNF製剤は，リウマチ（RA）などの自己免疫疾患の治療に欠かせない薬剤となっている．ゴリムマブは，これまでの抗TNF製剤の優れた有効性を保持したまま，従来の抗TNF製剤において長期治療の障害になってきた抗薬物抗体の出現，投与部位反応，適切な投与間隔および複数の投与経路を有することなどの点を改善することを目標として開発されたヒト型抗ヒトTNFα抗体である．ゴリムマブは，抗体製剤としては，物理化学的な安定性に優れ，TNFαに対する強い親和性および中和活性を示した．また，ゴリムマブは IgG1のFc領域を有し，FcRnに結合するため体内での半減期が長く，また，Fcγ受容体に結合することから，インフリキシマブおよびアダリムマブと同様な生物活性を示すことが予想された．ゴリムマブのRAに対する海外臨床試験は，2001年から開始され，米国では2009年4月，欧州では2009年10月に承認された．日本での臨床開発は，2006年から第I相単回投与試験を開始し，第II／III相試験を経て2011年7月に承認された．これらの臨床試験において，ゴリムマブを4週間隔で皮下投与したときRAに対する症状および徴候の軽減，身体機能改善および関節破壊進展抑制効果が認められ，安全性も確認された．また，これらの臨床試験から，ゴリムマブはRAの疾患活動性に応じた投与量の選択が可能なこと，単剤でも使用できること，抗ゴリムマブ抗体の陽性率が低いこと，注射部位反応の発現率が低いこと，既存の抗TNFα製剤を使用していた患者にも有効性を示すことなどの特徴が明らかとなった．本稿ではゴリムマブのこのような特徴を紹介する．

収録刊行物

• 日本薬理学雑誌

  日本薬理学雑誌 141 (5), 275-285, 2013

  公益社団法人 日本薬理学会

キーワード

• ヒト型抗ヒトTNFα抗体
• リウマチ
• IgG1
• 骨関節破壊抑制
• 抗薬物抗体発現率

詳細情報

• CRID: 1390001204275281536
• NII論文ID: 10031171130
• NII書誌ID: AN00198335
• DOI: 10.1254/fpj.141.275
• COI: 1:CAS:528:DC%2BC3sXnvFWls7c%3D
• ISSN: 13478397
• ISSN: 00155691
• NDL書誌ID: 024664465
• PubMed: 23665559
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I024664465
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/141/5/141_275/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2013256018
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可