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- 三宅 健介
- 東京大学 医科学研究所
抄録
我々の免疫機構は,病原体成分に特異的に応答し,感染防御反応を誘導する病原体センサーを有している.Toll様受容体(Toll-like receptor, TLR)はその代表的なセンサーの一つである.TLRは,その細胞内局在によって2つに大別される.細胞表面に,TLR1, TLR2, TLR4/MD-2, TLR5, TLR6, TLR10が発現し,菌体膜成分や鞭毛タンパクを認識する.一方,細胞内の小胞体やエンドソームにはTLR3,TLR7,TLR8,TLR9が発現しており,病原体由来の核酸に応答する.TLR3は2重鎖RNA,TLR7,TLR8は1重鎖RNA,TLR9は1重鎖DNAを特異的に認識する.TLRは病原体成分に特異的であると考えられてきたが,死細胞由来の成分や代謝産物にも応答し,肥満や動脈硬化など,非感染性炎症疾患に関与していることが明らかとなってきた.エンドトキシンのセンサーであるTLR4/MD-2は脂肪酸にも応答し,肥満の病態に関与していることが報告されている.一方核酸特異的なTLR7,TLR9についても,核酸に対する自己免疫応答への関与が指摘されている.TLR7,TLR9が自己核酸に応答しないように,免疫細胞は,TLR7/9の局在を厳密に制御していることが分かってきた.ここでは,TLRが如何に自己と病原体を識別しているのか,またその識別機構の破綻が,どのような病態をもたらすのか,現在明らかにされた知見を,我々のものも含めて紹介したい.<br>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 35 (4), 293-293, 2012
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679629261824
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- NII論文ID
- 130003363984
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可