P1-048  全身性エリテマトーデス(SLE)に蛋白漏出性胃腸症を合併して,ステロイド投与が奏功した一例

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抄録

【症例】28歳女性<br> 【現病歴】2010年12月頃より微熱,頭痛が出現し,市販薬で経過観察していた.その後,2011年1月より両側眼瞼浮腫が出現し,徐々に増悪していた.他院で血液検査の異常を指摘されて,2011年6月当科紹介受診となった.関節炎,白血球・血小板減少,抗カルジオリピン抗体陽性,抗核抗体陽性よりSLEと診断した.<br> 【入院後経過】入院時,両眼瞼浮腫が著明であり,血中アルブミン値は1.8 g/dlと著明に低下していた.CT上で胸腹水貯留を認めた.蛋白漏出シンチグラムフィーを施行し,蛋白漏出胃腸症と診断した.また,右側優位の胸水は,滲出性であり,SLEに伴う漿膜炎と考えた.プレドニゾロン(PSL)40 m/日投与するも効果不十分であり,ステロイドパルス療法を施行後,眼瞼浮腫や全身の浮腫,また胸腹水は消失し,蛋白漏出シンチグラフィーで異常集積の消失を認めた.その後,アザチオプリンを追加投与しながらPSLを漸減し,血清中の補体は上昇傾向を認め,退院となった.<br> 【考察】本症例は,初発症状として著明な眼瞼浮腫を認め,腎症は認めず,蛋白漏出性胃腸症を伴うSLEの初発症状と考えられた.当科で認めた蛋白漏出性胃腸症は過去20年で8症例あり,6例がSLE,1例がMCTD,1例がSjSであった.文献的な考察を含めて,報告する.<br>

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