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- 紙谷 万里子
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 総合診療部
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- 石黒 精
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 総合診療部 独立行政法人国立成育医療研究センター 教育研修部
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- 堀内 清華
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 総合診療部
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- 余谷 暢之
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 総合診療部
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- 永井 章
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 総合診療部
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- 新井 勝大
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 消化器・肝臓科
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- 堀川 玲子
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 内分泌・代謝科
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- 河合 利尚
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所 成育遺伝研究部
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- 渡辺 信之
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所 成育遺伝研究部
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- 小野寺 雅史
- 独立行政法人国立成育医療研究センター 研究所 成育遺伝研究部
抄録
【背景】IPEX (immune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, and X-linked)症候群は1型糖尿病や甲状腺機能低下症などの多発性内分泌異常,難治性下痢,易感染性などを主症状とし,転写因子forkhead box P3(FOXP3)遺伝子の変異による制御性T細胞の欠損や機能低下を原因とするX連鎖性の原発性免疫不全症である.今回,1型糖尿病,甲状腺機能低下症に難治性下痢を合併し,IPEX症候群と考えられた女児例を経験したので報告する.【症例】12歳女児 10歳時から下痢が遷延化し,著明なるいそうが認められた.12歳時に行われた消化管内視鏡所見と病理所見からクローン病と診断され,5-アミノサリチル酸製剤に加えてプレドニゾロン,アザチオプリン,インフリキシマブによる治療を要した.その結果,便性の改善ならびに炎症反応の低下など一定の治療効果が認められたが,プレドニゾロンの減量により下痢が増悪して体重も減少し,治療法の選択に難渋した.患児は2歳時に1型糖尿病を,3歳時に甲状腺機能低下症を発症しており,難治性腸炎とあわせてIPEX症候群でみられる臨床像を呈していた.ただ,本症例ではCD4+CD25+T細胞中のFoxp3の発現は低下していたがFOXP3遺伝子には異常を認めなかった.【考察】FOXP3遺伝子に変異のないIPEX症候群例では易感染性を認める場合が多いとされているが,本症例では反復する細菌感染は認められなかった.過去の文献的考察も含めて報告する.<br>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 35 (4), 358a-358a, 2012
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653192960
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- NII論文ID
- 130003364098
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可