急激に門脈圧亢進症をきたし,食道静脈瘤破裂で発症した肝サルコイドーシスの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of sarcoidosis liver caused rupture of esophageal varices due to sudden portal hypertension
  • 症例報告 急激に門脈圧亢進症をきたし,食道静脈瘤破裂で発症した肝サルコイドーシスの1例
  • ショウレイ ホウコク キュウゲキ ニ モンミャクアツ コウシンショウ オ キタシ,ショクドウ ジョウミャクリュウ ハレツ デ ハッショウ シタ カン サルコイドーシス ノ 1レイ

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抄録

症例は44歳,女性.平成23年に羞明を主訴に近医眼科を受診し,ぶどう膜炎を指摘された.原因精査のため当院呼吸器内科へ紹介となり,肺サルコイドーシスの診断に至った.呼吸障害を認めなかったため,経過観察となった.平成24年3月,吐血・下血をきたし,緊急内視鏡検査で食道静脈瘤破裂の診断となり内視鏡的静脈瘤硬化療法を施行した.しかし,5カ月前に施行した上部内視鏡検査では食道静脈瘤は認めなかった.入院時のCT,MRIでは門脈周囲の炎症性変化の所見を認めた.腹腔鏡下肝生検を施行し,病理組織学的に肝サルコイドーシスと診断を確定した.本症例は急激な肝サルコイドーシスの進展により門脈圧亢進症を来たし,短期間で食道静脈瘤が形成され,破裂したものと推測した.病理組織で肝硬変への進行が懸念されたことから,ステロイド内服を開始した.5カ月経過した時点では血液生化学検査上改善を認めている.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 54 (5), 354-362, 2013

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (39)*注記

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