特発性線維性縦隔炎による上大静脈症候群に合併したDownhill esophageal varicesの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of downhill esophageal varices associated with superior vena cava syndrome due to idiopathic fibrosing mediastinitis

この論文をさがす

抄録

症例は62歳,男性.特発性線維性縦隔炎による上大静脈狭窄に伴って発症した上大静脈症候群に対して,上大静脈内ステントを挿入し症状の改善を得たが,ステント挿入30ヵ月後に閉塞し,上大静脈症候群の再発が認められた.同時期に施行された上部消化管内視鏡検査にて食道全域に静脈の拡張と蛇行を認め,上大静脈症候群に伴い発症したDownhill esophageal varicesと診断した.内視鏡所見より経過観察可能と判断し慎重に経過を見たが,9年後の現在に至るまで大きな変化を認めていない.Downhill esophageal varicesは稀な疾患であるが,出血の報告もあり,上大静脈症候群症例では念頭に置く必要がある.今回,良性疾患による上大静脈症候群に発症したDownhill esophageal varicesに対して長期経過観察を行うことができたので報告する.

収録刊行物

参考文献 (40)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ