ムコイド型肺炎球菌を起因菌とした耳性頭蓋内合併症の2例

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タイトル別名
  • Two cases of otogenic intracranial complications due to Mucosus otitis media

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抄録

ムコイド型肺炎球菌を起因菌とする耳性頭蓋内合併症の2症例を経験した。<BR>1例は55歳の男性で耳疾患の既往はなかった。耳閉感を初発症状とし保存的治療にも症状の改善がなく、3か月後意識障害で当院に救急搬送された。ムコイド型肺炎球菌を起因菌とする髄膜炎と診断し、ペニシリン系抗菌薬で感染を制御するとともに、乳突削開術・鼓室形成術を施行し軽快した。<BR>1例は未治療の糖尿病を合併する59歳の男性で、初発から2か月の経過で聴力低下、ふらつきを呈し、当院を紹介受診した。中耳炎による内耳瘻孔、骨膜下膿瘍、小脳炎、小脳膿瘍ならびに経過中にS状静脈洞血栓症を認めた。起因菌はムコイド型肺炎球菌でペニシリン系抗菌薬および免疫グロブリンの投与と糖尿病のコントロールで炎症は制御され、軽快した。<BR>結果的に2症例ともに軽快したが、早期にムコイド型肺炎球菌が起因菌であることを知り、適切な抗菌薬使用と時には観血的治療の判断が重要である。

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