喉頭軟骨肉腫と甲状腺癌の同時重複を認めた1例

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タイトル別名
  • Thyroid papillary carcinoma coexisted with chondrosarcoma originated from cricoid cartilage

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抄録

症例は62歳の男性。2011年3月中旬,数年来の嗄声の原因精査目的に当科を受診した。初診時,両側の声帯麻痺を認め,また甲状腺左葉に一致する硬結を触知した。穿刺吸引細胞診にて甲状腺乳頭癌の診断を得,甲状腺癌喉頭浸潤の診断にて2011年4月上旬喉頭全摘出術,甲状腺全摘出術,両頸部郭清術を施行した。しかしながら摘出標本の病理検査にて,甲状腺癌と喉頭軟骨肉腫の同時重複を認め,声帯麻痺の原因も軟骨肉腫の浸潤によるものと判明した。本例のように隣接する臓器の同時重複癌は診断のpitfallとなりうるが,常に重複癌の可能性を念頭に置いて診断にあたることが重要と考えた。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 23 (1), 65-68, 2013

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (16)*注記

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