カルシウム塩を含む有機電解液中における黒鉛電極の電気化学的挙動に関する研究

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タイトル別名
  • Studies on electrochemical properties of graphite electrodes in organic electrolytes containing calcium salts

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抄録

リチウムイオン電池は実用化されている二次電池のなかでも高いエネルギー密度を有しているが,用途の広がりとともにさらなる高性能化が求められている。そこで本研究では,リチウムイオン電池を超えるカルシウムイオン電池の黒鉛負極に関する基礎的研究とリチウムイオン電池の高性能化に資する黒鉛負極に適合した高性能電解液の開発を行った。<br>リチウムイオン電池負極においてキャリアを1価のリチウムイオンから2価のカチオンに変えることができれば,容量は2倍になる。2価カチオンの黒鉛層間化合物としては化学的には合成が可能なカルシウム–黒鉛層間化合物があるが,電気化学的な挿入反応はいまだに報告例がないため電気化学的合成のための基礎的研究を行った。<br>リチウムイオン電池の電気自動車への搭載に関しては,寒冷地では電解液に用いられている炭酸エチレン (EC) が低温で固化などによりイオン伝導性の低下を起こすことや有機溶媒であるため可燃性が問題点として挙げられる。電解液の選択により,低温特性や安全性を改善することは可能であるが,EC以外の有機溶媒中ではリチウムイオンの黒鉛への挿入反応は通常進行しない。しかし,EC以外の有機溶媒中でもリチウムイオン濃度の増加によるリチウムイオンの溶媒和数の低下により,リチウムイオンの挿入が可能になることが報告されている。そこで,リチウムイオンよりも強いルイス酸性を有するカルシウムイオンを用いて溶媒和構造の制御を行うことができれば,EC系電解液に替わるリチウムイオン濃度の増加を必要としない新しい高性能電解液の設計指針が得られると考え,高性能電解液の開発を行った。

収録刊行物

  • 炭素

    炭素 2013 (258), 230-231, 2013

    炭素材料学会

参考文献 (2)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204230189824
  • NII論文ID
    10031183878
  • NII書誌ID
    AN00140335
  • DOI
    10.7209/tanso.2013.230
  • ISSN
    18845495
    03715345
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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