虚血性大腸炎様症状にて発症したcollagenous colitisの1例

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タイトル別名
  • A CASE OF COLLAGENOUS COLITIS WITH SYMPTOMS SIMILAR TO THOSE OF ISCHEMIC COLITIS

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抄録

患者は86歳,女性.逆流性食道炎症状に対しランソプラゾールを内服していた.突然の臍周囲痛,数回の下痢,血便を認め入院となった.大腸内視鏡検査では脾弯曲付近の下行結腸に数cmの粘膜裂創と,遠位下行結腸にも凝血塊で覆われた縦走潰瘍を認めた.生検にて被蓋上皮直下にcollagen bandの肥厚と粘膜固有層内に慢性炎症細胞浸潤を認め,collagenous colitisと診断した.ランソプラゾールを中止後,症状は改善した.6カ月後の大腸内視鏡では縦走潰瘍は瘢痕化し,病理組織所見でもcollagen bandの肥厚はほとんど消失していた.通常は慢性下痢症状で発症するcollagenous colitisであるが,急激な腹痛,血便の虚血性大腸炎様症状で急性発症した点が特異的であった.

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参考文献 (26)*注記

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