オピオイド長期投与中内分泌機能異常をきたした非がん性慢性痛症例

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タイトル別名
  • Endocrine dysfunction in a patient with chronic nonmalignant pain receiving long-term opioid therapy
  • オピオイド チョウキ トウヨ チュウ ナイブンピ キノウ イジョウ オ キタシタ ヒガンセイ マンセイツウ ショウレイ

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抄録

オピオイド長期投与中,内分泌機能低下症をきたした症例を経験した.症例は51歳男性で交通外傷による末梢神経障害を伴う左下肢複合性局所疼痛症候群の診断にて,受傷1年後より加療中であった.当初行われた投薬・神経ブロック等により痛みはコントロールでき,職場復帰していた.残存する痛みに対し受傷3年後より塩酸モルヒネによる内服加療を開始し痛みは軽減されたが,同時期より性欲低下の自覚症状が出現した.受傷7年後にはフェンタニル貼付剤へと変更し痛みのコントロールはさらに良好となったが,変更後数カ月で急激な体重減少(合計-24㎏)をきたし,変更後半年で強い全身倦怠感と食欲不振も出現し就労不可能となった.内分泌機能異常を疑い行ったホルモン負荷試験等の結果より,オピオイドによる続発性副腎機能低下症および中枢性性腺機能低下症と診断された.痛みのためにオピオイドを完全に中止できなかったため,トラマドール内服へと変更しホルモン補充療法を行った.ホルモン補充療法開始後は全身倦怠感等の自覚症状は改善した.このエピソードをきっかけに抑うつ状態となり職場復帰は果たせていないものの約9カ月で体重も回復した.

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参考文献 (13)*注記

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