当院心不全患者における睡眠呼吸障害の現状

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  • Prevalence and risk factors of sleep disordered breathing among patients with heart failure in our hospital

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抄録

はじめに: 心不全患者がしばしば睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing; SDB)を合併することは以前より知られている. 心不全患者においてはSDBが予後予測因子の1つであるが, わが国の心不全患者において, SDBの危険因子に関する知見は少ない. そこで, われわれは心不全患者に対してSDB精査を行い, その臨床背景を検討することとした.<BR>方法: 2009年6月から2010年8月までの間に当院に入院した44例の心不全患者(急性冠症候群に伴うものは除く) に対して, 退院直前にSDB検査を行った.<BR>結果: 平均年齢は70±11歳, 無呼吸低呼吸指数(apnea hypopnea index; AHI)は15.8±12.0/時間であった. AHI<5は10例(23.3%), 5≤AHI<15は11例(25.6 %), AHI≥15は22例(51.2%)であった. AHI<15群とAHI≥15群で比較検討を行うと, AHI≥15群において, BNP, 心房細動の合併率, 中枢性無呼吸指数(central sleep apnea index; CSA index)およびチェーン・ストークス呼吸(Cheyne-Stokes respiration; CSR)の合併率が有意に高値であった. 年齢や左室駆出率(left ventricular ejection fraction; LVEF), body mass index(BMI), 推定クレアチニンクリアランス(eGFR) などについては, 有意差は認められなかった.<BR>結語: わが国の心不全患者において, BNP高値や心房細動の合併は, SDBの危険因子となり得る.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 43 (12), 1597-1600, 2011

    公益財団法人 日本心臓財団

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