QT計測における接線法および微分法の測定値差に影響する因子の検討
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抄録
[目的] QT間隔の計測は,接線法および微分法により行われている.T波の終末部の波高は基線に対して漸減することから,これらの測定値が一致することはない.各法における測定値の差がどのような波形因子により生じるかについて解析を行った.<BR>[方法] 健常人22例から双極誘導CM5で導出した心電図をデジタル化し,50Hzで高域遮断した.R波起始部,Tmax値,接線法によるQT間隔を求めた.次に微分を行い,接線における微分値,T波終末点,微分法によるQT間隔の測定を行った.接線法および微分法でのQT間隔測定値の差をΔQTEとした.<BR>[結果] Tmax 0.84±0.27mV,微分値-17.0±4.2,ΔQTE 0.032±0.009ms. Tmaxと微分値の相関は,0.94.ΔQTEとTmaxの相関は0.62であり,p=0.01で有意な相関が得られた.<BR>[結論] ΔQTEは,Tmax値に依存することから,T波が高い波形は,各法での測定値に差があり測定値の比較には留意する必要がある.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 44 (SUPPL.1), S1_10-S1_10, 2012
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204049283456
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- NII論文ID
- 130003377191
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可