偶発的外傷より発症したマウス眼球癆の1症例

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  • Traumatic Phthisis Bulbi in a Mouse

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抄録

非臨床安全性試験の背景データ収集のために当研究所に導入した60匹(雌雄各30匹)のCrlj: CD1 (ICR)マウスのうち、雌の1匹に対して実験中に過誤により右眼に外傷を負わせた。経時的に観察した結果、受傷時(第1病日)に眼窩からの出血、眼球突出、角膜混濁がみられ、第3病日から眼球の小型化(萎縮)、第6病日から前房出血及び著しい水晶体混濁が観察された。このうち、眼球萎縮と水晶体混濁は剖検を行った第28病日まで継続した。組織学的検査の結果、眼球内各全組織の変性がみられた。このことから本症例は眼球癆と診断され、その発症は受傷後5日以内と考えられた。外傷による眼球癆は、医学的には多くの報告があるが、実験用マウスにおいても同様の所見が確認された。

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