口唇部有棘細胞癌の1例

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タイトル別名
  • A case of squamous cell carcinoma of the lip

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抄録

74歳,男性。初診6ヵ月前より下口唇にびらんを伴う扁平隆起性局面を認め,当院を受診した。扁平苔癬や日光口唇炎などとの鑑別のため2度にわたり部分生検を行ったが,明らかな悪性像は認められず,確定診断には至らなかったが,腫瘍は初診から約5ヵ月間で直径15 mmから45 mmにまで急激に増大していった。臨床像と病理組織所見から最終的に口唇部有棘細胞癌と診断し,皮膚側から粘膜側までの全層を含めて腫瘍を全摘しAbbe’s flapを用いて再建した。全摘標本の病理組織所見では筋層への浸潤を認める高分化型の有棘細胞癌であった。口唇部有棘細胞癌は初期の段階や高分化型の組織型では細胞異型が軽度であり部分生検で確定診断がつきにくい場合があるので注意が必要と考えた。

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