紅皮症で発症した成人T細胞白血病・リンパ腫の1例

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  • A case of adult T-cell leukemia/lymphoma, with developed erythroderma as an initial sympton

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抄録

55歳,女性。初診の3ヵ月前より全身に紅斑が出現し,尋常性乾癬として近医で加療を続けるも難治であった。血液検査にて抗HTLV-1抗体陽性であったため成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)を疑われ紹介受診した。初診時は乾癬性紅皮症様の臨床像を呈しており,皮膚生検を行ったが異型リンパ球の浸潤は認められなかった。1ヵ月後に右側腹部の腫瘤と表在リンパ節腫脹が出現し,病理組織所見で異型リンパ球の密な浸潤が認められた。さらに同時期より血液中にflower cellも出現し最終的に白血化した急性型ATLLと診断した。化学療法を開始するも奏効せず,初診より4ヵ月後に死亡した。紅皮症の原因疾患は多岐にわたるが,自験例のようにATLLの非特異診のことがある。紅皮症を呈するATLL患者は予後不良の急性型である可能性が高いので,紅皮症の鑑別の一つとして特に注意を要すると考えられた。

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参考文献 (2)*注記

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