太田母斑に対する<i>β</i>線外面照射療法後に生じた有棘細胞癌

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  • A case of squamous cell carcinoma occurring on nevus of Ota after external beta-ray treatment

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抄録

80歳,女性。50年前に顔面太田母斑に対するβ線外面照射療法をうけた。その後治療部位に潰瘍を生じ,外用療法をうけたが軽快せず,腫瘤も生じ徐々に増大したため当科初診となった。初診時,左顔面は慢性放射線皮膚障害の像を呈し,左外眼角から上外方にかけては不整形で硬く隆起する疣状角化腫瘤を認めた。病理組織学的に有棘細胞癌と診断し,腫瘍切除・植皮術を施行した。統計から本邦のβ線照射療法による皮膚癌発生例はあまり多くなかった。それはβ線照射が行われた症例が少ないためと考えられた。また放射線療法全体による皮膚癌発生について,今後は少ない照射量で長期間の潜伏期を経て発癌する基底細部癌の発生が増加する可能性が示唆された。

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