胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法

書誌事項

タイトル別名
  • Endoscopic injection sclerotherapy for gastric varices

この論文をさがす

抄録

胃静脈瘤に対する治療法として,内視鏡的硬化療法とバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)が行われている.本稿では胃静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法について述べる.適応および禁忌については食道静脈瘤のそれと同様である.インフォームドコンセント(IC) についても十分に書面と共に行う.手技は胃静脈瘤の最も太いものを直接穿刺し, 血液の逆流を確認したら, 無水エタノール2~3 mlをゆっくり注入し, 続いて生理食塩水2~3 mlを注入しつつHistoacryl (HA)(Histoacryl®)1 Aを注入して抜針する.Histoacryl (HA)は1 mlの生理食塩水を入れた注射器を上向きにして吸引し,直ちに使用する.血液の逆流が確実でなければエタノールの使用は禁忌である.1週間後2回目の硬化療法を行い,更に広く1%エトキシスクレロール(aethoxysklerol, AS)注入を行う.1カ月後に確認の硬化療法を行い,以後6カ月ごとに経過観察と必要な場合には追加治療を行う.1986年から2007年までに67例の治療を行ったが,再出血は緊急例の1例のみで,待期例では1例もなく良好な成績を得ている.胃静脈瘤に対する治療法として,内視鏡的治療法とB-RTOとを対比してそれぞれに対する見解を述べた.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ