ICGリンパ管造影による末梢性リンパ浮腫の病態評価

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  • Evaluation of Peripheral Lymphedema Using ICG Lymphography

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抄録

●要  約:二次性リンパ浮腫では,がん治療などによりリンパ流が閉塞し,遠位のリンパ管が拡張・変性しリンパ液が間質に漏れ,浮腫・炎症・脂肪沈着をきたす.リンパ動態の変化は浮腫発症前から起こっており,リンパ浮腫の適切な病態評価にはリンパ動態を評価する必要がある.インドシアニングリーン(ICG)リンパ管造影は,被ばくすることなくリアルタイムに詳細にリンパ流を可視化する実用性の高いリンパ循環評価方法である.リンパ浮腫の進行に伴い,造影所見はLinear,Splash,Stardust,Diffuseと変化していく.異常所見であるSplash,Stardust,Diffuseの分布からDermal Backflow(DB)stageが診断でき,とくにDB stage Iはsubclinical lymphedemaとして早期診断に極めて重要な意味を持つ.ICGリンパ管造影による病態生理に基づいたリンパ浮腫評価がリンパ浮腫診療において重要な役割を果たしていくであろう.

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 24 (1), 57-62, 2013

    日本静脈学会

参考文献 (32)*注記

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