この論文をさがす
抄録
【目的】薬剤の細胞外排出によって治療抵抗性を齎すP糖蛋白質(P-gp)は,活動期SLEの疾患活動性上昇に伴ってリンパ球上に発現する.しかし,その病態形成への関与は不明であり,CD4+cellのP-gpとリンパ球活性化マーカーCD69の発現と臨床病態との関連を解析した.【方法】標的分子を末梢血CD4+cellはフローサイトメーターで,組織浸潤CD4+cellは免疫組織染色で評価した.【成績】健常人に比してSLEではP-gp,CD69は有意に発現増強した.P-gpはCD69+CD4+cellに有意に高発現した.P-gp+CD69+CD4+cellは疾患活動性に従って増加し,ステロイド(CS)不応例,増殖性腎炎,NPSLE合併例で増加を認めた.難治性増殖性腎炎症例では腎間質へのP-gp+CD69+CD4+cell集簇を認めた.末梢血でのP-gp+CD4+cell増加例は強化免疫抑制療法の追加によってP-gp+CD69+CD4+cellの消失に伴い,CS抵抗性改善,臨床病態改善,CSを漸減を得た.【結論】P-gp+CD69+CD4+cellは薬剤抵抗性かつ臓器侵襲を齎しうるサブセットと考えられ,その制御が治療抵抗性克服に重要である.末梢血リンパ球上P-gp発現は治療抵抗性とリンパ球の臓器浸潤を反映し,治療選択において有用な指標となり得る.<br>
収録刊行物
-
- 日本臨床免疫学会会誌
-
日本臨床免疫学会会誌 36 (5), 369a-369a, 2013
日本臨床免疫学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679628453760
-
- NII論文ID
- 130003383059
-
- ISSN
- 13497413
- 09114300
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可