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抄録
【背景】BTKはB細胞分化に必須のチロシンキナーゼで,その遺伝子変異によりX連鎖性無ガンマグロブリン血症(XLA)を引き起こす.XLAは末梢血B細胞が著減し全クラスの血清グロブリン低値が特徴である.今回IgA単独欠損症例でBTK変異を見出し,その影響について解析を行った.【症例】3歳男児.乳児期より反復性の肛門周囲膿瘍,急性中耳炎や気管支炎等の細菌性感染と発疹をみとめていた.白血球数12800/mm3(リンパ球50%),IgG 1335 mg/dl,IgA<4mg/dl,IgM 20 mg/dl,麻疹・風疹特異抗体産生とTRECs/KRECs正常.CD19+細胞4.7%(of lym),B細胞分画は正常でT・NK・樹状細胞分画も異常はなかった.【解析】Exome解析及び家族解析にてBTKにde novo変異(Thr316Ala)をみとめた.BTKの発現は低下していた.BCR刺激後のCa influxは正常範囲だが,PLCγ2のリン酸化は低下,CD40刺激後のNFκBのリン酸化は正常だった.In-vitroの抗体産生はIgA優位に低下していた.好中球では他のXLA症例と同様ROSの過剰産生をみとめた.【考察】本症例はB細胞が存在しIgA単独欠損例であったが,解析の結果,BTK変異が原因であることが示唆され非典型XLAと診断した.IgA欠損や分類不能型免疫不全症と考えられている症例の中にはBTK異常をみとめるものがあり,BTKがIgA産生にも重要な役割をもつ可能性が示唆された.<br>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 36 (5), 389a-389a, 2013
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679628489984
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- NII論文ID
- 130003383099
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可