P8-05  シェーグレン症候群を合併した視神経脊髄炎における唾液腺の組織学的検討

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抄録

【目的】視神経脊髄炎(neuromyelitis optica, NMO)に合併したシェーグレン症候群(SS)の病態について小唾液腺の組織染色を行いその特徴を検討する.<br> 【方法】同意をえられたNMO-SS合併例4例,NMO spectrum disorderの症例から小唾液腺を生検しAQP4およびAQP5抗体を用い免疫組織染色を行った.対照として正常例3例,Typical SSの5例についても同様の検討を行った.<br> 【結果】AQP4については唾液腺組織での発現は認めず,Typical-SS,NMO-SSでも同様の結果であった.AQP5抗体を用いた染色では,正常唾液腺組織において既知の報告通り管腔側にAQP5が強く発現していた.Typical SSとNMO-SSにおける変化を画像解析ソフトを用い定量を行ったところ,正常唾液腺組織と比較してTypical SSとNMO-SSでは有意差をもって管腔側の局在性が損なわれていた(P<0.01).Typical SSとNMO-SSでは有意差は認めなかった.また,サクソンテストとAQP5の染色性の変化は相関を認めており,AQP5の局在性と唾液腺機能の関連が示唆された.また,局在性の変化の原因としてTNFα抗体での蛍光染色を行ったところ,正常ではTNFαの発現は認められなかったが,Typical-SS,NMO-SSでは腺房周囲から間質にTNFαの発現を認めた.<br> 【結語】NMO-SSにおいて唾液腺でのAQP-蛋白の関連は低く,AQP5については通常のシェーグレン症候群と同様の発現分布異常を認めた.その発現の変化についてはTNFαの関与が示唆された.<br>

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