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抄録
【目的】視神経脊髄炎(neuromyelitis optica, NMO)に合併したシェーグレン症候群(SS)の病態について小唾液腺の組織染色を行いその特徴を検討する.<br> 【方法】同意をえられたNMO-SS合併例4例,NMO spectrum disorderの症例から小唾液腺を生検しAQP4およびAQP5抗体を用い免疫組織染色を行った.対照として正常例3例,Typical SSの5例についても同様の検討を行った.<br> 【結果】AQP4については唾液腺組織での発現は認めず,Typical-SS,NMO-SSでも同様の結果であった.AQP5抗体を用いた染色では,正常唾液腺組織において既知の報告通り管腔側にAQP5が強く発現していた.Typical SSとNMO-SSにおける変化を画像解析ソフトを用い定量を行ったところ,正常唾液腺組織と比較してTypical SSとNMO-SSでは有意差をもって管腔側の局在性が損なわれていた(P<0.01).Typical SSとNMO-SSでは有意差は認めなかった.また,サクソンテストとAQP5の染色性の変化は相関を認めており,AQP5の局在性と唾液腺機能の関連が示唆された.また,局在性の変化の原因としてTNFα抗体での蛍光染色を行ったところ,正常ではTNFαの発現は認められなかったが,Typical-SS,NMO-SSでは腺房周囲から間質にTNFαの発現を認めた.<br> 【結語】NMO-SSにおいて唾液腺でのAQP-蛋白の関連は低く,AQP5については通常のシェーグレン症候群と同様の発現分布異常を認めた.その発現の変化についてはTNFαの関与が示唆された.<br>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 36 (5), 410b-410b, 2013
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653728000
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- NII論文ID
- 130003383141
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可