腹腔鏡下低位前方切除術7ヵ月後に発症した遅発性縫合不全の1例

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  • Delayed Anastomosis Leakage 7 Months after Laparoscopic Anterior Resection for Rectal Cancer: A Case Report

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抄録

症例は64歳,男性で直腸癌に対し腹腔鏡下低位前方切除術を施行し,経過良好で術11日目に退院した.術5ヵ月後に腸閉塞を2度発症し保存的治療で速やかに改善したが,術7ヵ月後に正中創に発赤・圧痛を伴う硬結を自覚し外来を受診した.腹部造影CTで腹腔内から皮下に達する液体貯留を認め,原因不明の膿瘍形成と診断し緊急手術を施行したところ,皮下から右腹直筋外縁を通り吻合部近傍の腹腔内に至る膿瘍が認められた.吻合部周囲は小腸が癒着して一塊になっており,癒着剥離と小腸の部分切除を行って手術終了とした.術2日後に腹痛を訴え,骨盤底ドレーンから便汁様の排液を認めたため,腹膜炎の診断で緊急手術を行った.肛門からのair leak testで初回手術時の吻合部と推測される部位から空気の漏れを認め,人工肛門造設術を施行した.術後経過や緊急手術所見から本症例は遅発性縫合不全が瘻孔化し皮下膿瘍を形成したものと考えられた.

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