虫垂重積で発症した虫垂・回腸子宮内膜症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Appendiceal Intussusception Caused by Endometriosis of the Appendix and Ileum

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抄録

症例は47歳の女性で,1週間前から持続する右下腹部痛を主訴に受診した.右下腹部に筋性防御を認め,炎症反応の軽度上昇を認めた.腹部超音波および腹部造影CTでは回盲部にtarget like appearance,pseudokidney signを認め,回盲部腸重積の診断にて同日緊急手術を施行した.開腹すると盲腸内に腫瘤を触知し,虫垂が盲腸内に引き込まれた虫垂重積と診断した.腫大した腸間膜リンパ節も認めたため,悪性腫瘍による虫垂重積の可能性を考慮して結腸右半切除術を施行した.また,回腸に粘膜下腫瘍を認めたため回腸を追加切除し,腹腔内に類似病変を認めなかったため手術終了した.切除標本では,盲腸内に完全翻転した虫垂を認めた.病理組織学的検査では,重積した虫垂の筋層と回腸の筋層に異所性子宮内膜組織を認め,虫垂・回腸子宮内膜症と診断した.術後1年6ヵ月経過した現在,無症状,無再発である.

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