不注意の問題を伴う小児機能性難聴の知的側面の解析

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  • Analysis of Intelligence in Children with Functional Hearing Loss Accompanied by Inattention Problem

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抄録

不注意の問題を伴う小児機能性難聴(Functional Hearing Loss:FHL)11例(男児4例,女児7例:7~15歳)にWISC-IIIを実施し,知的側面を解析した.全検査IQの平均値は83.6と低く,6例(54.6%)は境界域以下の知能であった.言語性IQ平均は80.9,動作性IQ平均は89.9で,特に言語性IQの低さが目立った.対象者は知能の特徴より,「全般知能脆弱群」「全般知能脆弱・言語性知能特弱群」「注意記憶脆弱群」「知能正常群」の4群に分類され,知能の特性に応じた支援が有効であった.不注意の問題を伴う小児FHLの知的問題においては,特に言語的,聴覚認知的側面の脆弱性が目立ち,FHLは知的,発達的問題の二次障害であると考えられた.彼らに対しては,それぞれの知的,発達的特性に応じた教育環境の調整を中心に据え,二次的な心因に対する心理療法を併用した総合的な心理的支援がなされることが望ましい.

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