手術および補助化学療法を行った腟小細胞癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of primary small cell carcinoma of the vagina treated with surgery and adjuvant chemotherapy
  • 症例報告 手術および補助化学療法を行った腟小細胞癌の1例
  • ショウレイ ホウコク シュジュツ オヨビ ホジョ カガク リョウホウ オ オコナッタ チツショウサイボウガン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

腟小細胞癌はきわめてまれで予後不良な疾患であり,国内外でこれまで29例1-19) の報告があるのみである.今回,腟原発と考えられ,手術および術後補助化学療法が奏効した腟小細胞癌の1例を経験した.症例は70歳の7経妊2経産,不正性器出血のため近医を受診した.子宮頸部に母指頭大の腫瘍を認め当院紹介となった.腟鏡診で腟壁上1/3の9時方向の腟壁より発生する母指頭大の腫瘤を認めた.子宮頸部に明らかな形態異常を認めなかった.内診時に腫瘤の2/3が脱落した.脱落腫瘤組織のHE染色では,裸核状の異型細胞が充実性・ロゼット状配列を示しながら密に浸潤増生していた.免疫組織化学染色では,腫瘍細胞はChromogranin A, Synaptophysin, CD56などの神経内分泌マーカーが陽性を示し,腟小細胞癌と診断された.MRIでは腟右後壁より腟腔内に膨瘤する6×11×15mm大の腫瘤を認めた.広汎子宮全摘術を施行し,正中仙骨・右閉鎖リンパ節に転移を認めたため,術後補助化学療法としてEP療法を5コース施行した.術後25カ月経過するが再発徴候を認めていない.〔産婦の進歩66(1):24‐29,2014(平成26年2月)〕

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ