抗腫瘍薬による心機能障害:その評価と予防
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- 吉野 秀朗
- 杏林大学医学部第二内科(循環器内科)
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抄録
anthracycline系抗腫瘍薬の心毒性,心筋障害は以前から報告されている。有症候性の左心不全を発症してからでは心機能の回復は困難である。無症候のうちに左室機能異常を検出したり,収縮機能障害よりも早期に出現するとされる拡張機能障害をより早く検出したりする検査法が必要である。我々が以前に報告した心筋シンチグラムで拡張機能を捉える方法や心エコーのspeckled tracking法を用いたstrain/strain rateの変化をとらえる方法などによって早期に異常を検出できる可能性が報告されている。抗酸化作用薬剤,心血管薬との併用療法やanthracycline系以外の抗腫瘍薬の開発など可逆的心機能低下にとどめる治療法が考案されつつある。
収録刊行物
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- 杏林医学会雑誌
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杏林医学会雑誌 45 (1), 31-34, 2014
杏林医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204894422272
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- NII論文ID
- 130003392109
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- ISSN
- 1349886X
- 03685829
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可