胸管結紮術およびオクトレオチド投与にて軽快した両側特発性乳糜胸の1例

  • 元石 充
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター呼吸器外科
  • 岡本 圭伍
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター呼吸器外科
  • 片岡 瑛子
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター呼吸器外科
  • 澤井 聡
    独立行政法人国立病院機構京都医療センター呼吸器外科
  • 大塩 麻友美
    独立行政法人国立病院機構南京都病院呼吸器外科
  • 花岡 淳
    滋賀医科大学付属病院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • Successful treatment of bilateral idiopathic chylothorax with ligation of the thoracic duct and octreotide

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抄録

症例は51歳女性.胸部レントゲンで両側胸水を指摘された.両側胸腔穿刺を行い両側乳糜胸と診断,精査にて明らかな原因を指摘できなかったため両側特発性乳糜胸と診断した.脂質制限・ドレナージにて軽快したが約3ヵ月で再燃したため胸管結紮術を施行した.術翌日夕より左胸腔ドレーンから乳糜様排液の増加を認め,術後3日目の左胸腔ドレーンからの排液は1日800 mlとなった.同日よりオクトレオチド投与・脂質制限を開始した.乳糜胸水の減少を認め,オクトレオチドを2週間投与し退院とした.術後1年以上経過しているが明らかな再燃を認めていない.特発性乳糜胸はまれな疾患であり確立された治療法は存在しない.その上手術で軽快せず追加の治療を要することが多い.胸管結紮術で改善しない症例に対してオクトレオチドの投与は追加治療として有用であると考えられた.

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参考文献 (3)*注記

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