先天性第VII因子欠乏症患者の自然気胸術後の止血に第VII因子製剤の投与が有効であった1例

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タイトル別名
  • A case of hemorrhage after thoracoscopic surgery for spontaneous pneumothorax with congenital FVII deficiency successfully treated by recombinant activated factor VII (rFVIIa)

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抄録

症例は18歳,男性.17歳時に左自然気胸に対し手術が行われた.その際,軽度のPT延長を認め,精査の結果,先天性第VII因子欠乏症と診断された.今回,胸痛のため当科を受診し,左自然気胸術後再発の診断で胸腔鏡下に手術を施行した.肺尖部に認めたブラを処理し,止血を確認後,14Fr胸腔ドレーンを留置し手術を終了した.術翌日の胸部レントゲン写真で大量の胸水を認め,22Fr胸腔ドレーンに入れ換えたところ,大量の血性胸水を認めた.止血剤を投与し保存的加療を行ったが,約20 ml/時間の血性排液を認め,貧血の進行を認めたため,第VII因子製剤の投与を行ったところ,完全に止血が得られたため,術後3日目に胸腔ドレーンを抜去した.その後の経過は良好で術後7日目に退院となった.先天性第VII因子欠乏症患者の自然気胸術後の止血に第VII因子製剤の投与は有効であった.

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