肺野末梢に発生し,肺癌の臨床像を呈した扁平上皮腺上皮性混合型乳頭腫の1例

  • 春木 貴史
    阿知須同仁病院外科 山口大学大学院器官病態外科学呼吸器外科
  • 上田 和弘
    山口大学大学院器官病態外科学呼吸器外科
  • 林 雅太郎
    山口大学大学院器官病態外科学呼吸器外科
  • 田中 俊樹
    山口宇部医療センター呼吸器外科
  • 濱野 公一
    山口大学大学院器官病態外科学呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of mixed squamous cell and glandular papilloma mimicking primary lung cancer

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抄録

症例.70歳代の男性.咳嗽を主訴に精査が行われ,右肺腫瘤を指摘された.CTで右下葉に胸膜陥入を伴う28 mmの不整型,充実性結節を認め,PETで同部にFDGの異常集積を認めた.血液検査にて,CEAとSCCの上昇を認めた.TBLBおよびCT下針生検では確定診断に至らず,原発性肺癌T1bN0M0を疑い手術を行った.鏡視下に右下葉切除術を行った.腫瘍は,線毛を有する高円柱状の腫瘍細胞と扁平上皮細胞からなり,いずれの細胞も異型に乏しいことから,扁平上皮腺上皮性混合型乳頭腫と診断された.脈管侵襲はなく,リンパ節転移もなかった.結論.本疾患は良性腫瘍に分類されるが臨床像は肺癌と酷似しており診断に注意を要する.

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参考文献 (5)*注記

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