高分化型腺癌を合併した直腸粘膜脱症候群(MPS:Mucosal Prolapse Syndrome)の1例

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タイトル別名
  • A Case of Mucosal Prolapse Syndrome (MPS) with Well-Differentiated Adenocarcinoma

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抄録

症例は38歳女性.2010年5月下旬,検診で便潜血反応陽性を指摘され近医を受診.軽度の貧血,排便時下血も認めていたため下部消化管内視鏡検査を施行.歯状線直上に桑実様隆起性病変を認め,精査加療目的で当科紹介受診となった.直腸指診では3時に弾性軟な隆起性病変を触知した.また,十数年来“いきみ”の習慣と,数年来の排便時の脱肛認めていたことから直腸粘膜脱症候群(Mucosal Prolapse Syndrome)と診断し,痔核に対する結紮切除術に準じた手術を施行.病理組織学的検査では,線維筋症(fibromuscular obliteration)を認め,MPSに矛盾しない所見であった.しかし,11mm大の結節状隆起を呈する部分では高度異型腺腫の一部に高分化型腺癌(深達度m,ly0,v0)を認め,0-I型m癌合併直腸粘膜脱症候群と診断した.現在術後3年経過したが,MPS,癌の再発を認めていない.

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参考文献 (10)*注記

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