脳による食物摂取の認知とアミノ酸恒常性維持の仕組みに関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Study of the Brain Mechanisms Related to Recognition of Food Intake and Maintenance of Amino Acid Homeostasis in Rats
  • ノウ ニ ヨル ショクモツ セッシュ ノ ニンチ ト アミノサン コウジョウセイ イジ ノ シクミ ニ カンスル ケンキュウ
  • (JSNFS Award for Excellence in Research (2013) )
  • (平成25年度日本栄養・食糧学会学会賞受賞)

この論文をさがす

抄録

リジン欠乏の認知と適応の仕組みは, 視床下部外側野を中心に摂食や嗜好性の中枢の他に味覚や内臓感覚の入力野の延髄孤束核や迷走神経求心性線維で, リジンに鋭敏に応答する可塑性がアクチビンAにより生じることによる。加えてリジン特有の手がかり音, 味や匂い等の情報と連合して視床下部外側野ニューロンが応答する高次の可塑性も生じた。リジン欠乏ラットはリジンの定量的摂取を学習し, 恒常性を回復し食欲とタンパク質栄養状態の正常化により, リジン欠乏時の食塩嗜好性は低下したがグルタミン酸嗜好性が生じた。グルタミン酸はタンパク質摂取のマーカーの他に, 胃の迷走神経求心性線維ではグルタミン酸にのみ応答し, この情報により食物摂取の認知とその後の消化吸収, 代謝の調節に関わっている。グルタミン酸のラット胃内投与後の脳のMRI応答から, 記憶学習の他に食事性産熱に関わる中枢を介して肥満モデルの肥満を抑えた。

収録刊行物

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ