成人における急性喉頭蓋炎の検討

• 野々山 宏

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

• 有元 真理子

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

• 稲川 俊太郎

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

• 内田 育恵

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

• 谷川 徹

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

• 小川 徹也

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

• 植田 広海

  愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座

書誌事項

タイトル別名

• A Clinical Study of Acute Epiglottitis in Adults
• セイジン ニ オケル キュウセイ コウトウブタエン ノ ケントウ

抄録

急性喉頭蓋炎は高度な気道狭窄から致命的となる疾患であるため, ときに迅速かつ的確な処置が必要とされる.<br> われわれは成人の急性喉頭蓋炎患者において性別, 年齢, 発症季節, 初診施設, 受診時期, 症状, 喉頭所見, 血液検査, 既往歴につき気道確保に関連する因子を中心に検討した. 気道確保を行ったのは216例中, 39例 (18.1%) であった.<br> 急性喉頭蓋炎患者の男女比は1.9: 1, 平均年齢は53歳で発症の季節性は認められなかった. 受診時期の検討では, 気道確保群が有意差をもって早期に受診をしていた. 症状は咽頭痛を88%, 発熱を30%, 嚥下時痛・嚥下困難を28%, 呼吸苦を19%, 声の変化を10%に認め, 呼吸苦のみが気道確保との関連に有意差があった. 喉頭内視鏡検査所見では, 一側の仮声帯に炎症が波及し腫脹していた症例 (52.6%) は, 披裂喉頭蓋ヒダ, 披裂部までに留まったもの (12.9%) に比べ, 気道確保率は大きく上回った. 血液検査では, WBC, CRPともに, 気道確保群において有意に高値であった. 既往歴では糖尿病の有病者に気道確保との関連に有意差を認めた.<br> 早期の受診, 呼吸苦, 喉頭内視鏡検査所見での仮声帯の腫脹, WBC, CRPの上昇, 糖尿病の既往がある症例では気道の確保を考慮する必要性があると考えられた.

収録刊行物

• 日本耳鼻咽喉科学会会報

  日本耳鼻咽喉科学会会報 117 (3), 191-195, 2014

  一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

キーワード

• 喉頭蓋炎
• 気管切開
• 気道確保
• 気道狭窄

詳細情報

• CRID: 1390001205012527360
• NII論文ID: 130003395301
• NII書誌ID: AN00191551
• DOI: 10.3950/jibiinkoka.117.191
• ISSN: 18830854
• ISSN: 00306622
• NDL書誌ID: 025383422
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I025383422
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2014206978
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可