不自然なくも膜下出血分布から破裂動脈瘤を誤診した多発脳動脈瘤の1例

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  • A Case of Multiple Cerebral Aneurysms with False Localization of Subarachnoid Hemorrhage and Misdiagnosis of the Ruptured Aneurysm

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抄録

 不自然なくも膜下出血分布を呈し, 破裂動脈瘤の診断を誤った多発脳動脈瘤症例を経験した. 症例は32歳女性, 頭痛を主訴に来院した. CTで右側シルビウス裂と不連続に脳幹前面に出血を認め, 造影CTでは右側内頚後交通動脈瘤と脳底動脈窓形成部動脈瘤を認めた. 出血分布の左右差から右側内頚後交通動脈瘤を破裂源と考え, 急性期にクリッピング術を行った. しかし初回手術時に破裂源の動脈瘤であるかどうかの判断が不十分であったため, 追加治療を予定していた矢先, 出血源であると思われる脳底動脈窓形成部動脈瘤が再破裂し血管内治療にて加療した. 今回の多発動脈瘤症例においては破裂動脈瘤の診断が不十分であったため, 再破裂をきたすこととなった. 多発動脈瘤における破裂動脈瘤の診断には困難な症例が存在するが, 予後に直結するため正確な術前術中所見の判断が重要である.

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