小児Marfan症候群における改訂Ghent基準の有用性

DOI
  • 小野 博
    東京大学大学院医学系研究科小児医学講座 独立行政法人国立成育医療研究センター循環器科
  • 香取 竜生
    東京大学大学院医学系研究科小児医学講座 公立学校共済組合関東中央病院小児科
  • 犬塚 亮
    東京大学大学院医学系研究科小児医学講座
  • 今井 靖
    東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
  • 賀藤 均
    東京大学大学院医学系研究科小児医学講座 独立行政法人国立成育医療研究センター循環器科

書誌事項

タイトル別名
  • The Utility of the Revised Ghent Nosology for Pediatric Marfan Syndrome

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抄録

背景:Marfan症候群に対するGhent基準が2010年に改訂された.改訂基準では大動脈病変,水晶体脱臼,遺伝子変異に重点がおかれ,骨格所見はsystemicscoreに一括された.<br> 方法:2008年4月~2009年12月に東京大学医学部附属病院小児科マルファン外来を受診し,従来のGhent基準(旧基準)においてMarfan症候群と診断または疑いでフォローされている症例38例について,改訂Ghent基準(改訂基準)における診断の詳細を検討した.<br> 結果:旧基準を満たした症例は13例,改訂基準は22例であり有意な増加を認めた(p=0.0039).改訂基準を満たした22症例のうち17例(77%)に家族歴を認めた.改訂基準を満たした症例の内訳は,大動脈所見が10/22例(45%),水晶体脱臼が10/22例(45%),systemic score≧7が4/22例(18%),FBN1遺伝子変異が2/3例(67%)であった.<br> 結論:改訂Ghent基準は旧基準より簡易化され診断が容易になった.さらにFBN1遺伝子解析が普及すれば,診断精度の向上および診断数の増加が期待される.

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