小児生活習慣病予防健診におけるnon-HDLコレステロールの意義

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  • Usefulness of Non-High-Density Lipoprotein Cholesterol Levels in Screening for Lifestyle-related Disease in Schoolchildren

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抄録

背景:成人ではnon-HDLコレステロール(non-HDL-C)は今や心血管危険因子として重要であると認識されており,『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』の管理目標脂質ともなった.しかし,小児における有用性の検討は少ない.<br> 方法:2010,2011年の2年間に高岡市内の小学4年生,中学1年生計5,853名に対し小児生活習慣病予防健診を実施し,身体計測および総コレステロール(TC),HDLコレステロール(HDL-C),トリグリセリド(TG),LDLコレステロール(LDL-C)測定を行った.肥満度や各脂質間の相関を検討するとともに,スクリーニング基準にTCの97パーセンタイル値220mg/dLとnon-HDL-C 152mg/dLを用いた場合の抽出結果を比較検討した.さらに二次検診に抽出された肥満児150名について小児メタボリックシンドロームとnon-HDL-Cとの関連を検討した.<br> 結果:non-HDL-CはTCより良好に肥満度,TGと相関した(r=0.273, 0.360 vs 0.118, 0.179すべてp<0.001).TCによるスクリーニングでは高HDL-Cが少なからず過剰抽出され,高LDL-Cの検出感度はnon-HDL-Cより低率となった(80.8% vs 98.3%).二次検診肥満児ではnon-HDL-Cレベルが高いほど小児メタボリックシンドローム診断率が有意に高率となった(p=0.009).<br> 結論:小児生活習慣病予防健診におけるスクリーニング基準としてnon-HDL-CはTCより有用である.

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