「視機能を客観的に評価する」網膜神経活動のイメージング―網膜内因性信号計測法―

DOI
  • 角田 和繁
    東京医療センター臨床研究センター視覚生理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • A novel imaging technique of neural function in retina
  • 網膜内因性信号計測法

この論文をさがす

抄録

視覚的機能を他覚的に評価することは、眼疾患の早期発見および治療効果の判定のために基本的かつ重要な課題である。そのために眼科における画像診断技術(イメージング)は近年めざましい進歩をとげてきたが、それらは主に解剖学的構造の把握を目的としており、視細胞をはじめとする網膜の神経活動を捉えることはできない。我々が開発した網膜内因性信号計測法は、非侵襲的な網膜神経機能のイメージング法であり、神経活動にともなって神経組織の微細構造や血流が変化する現象を利用したものである。この技術により、従来は不可能であった錐体視細胞、杆体視細胞の機能的マッピングを、高い解像度で行うことができるようになった。動物実験における信号の閾値は網膜電図(ERG)のb波とほぼ同等であることが示されており、現在ヒトでの計測が可能なように開発を行っている。このイメージング法が実現すれば、様々な網膜疾患において精度の高い他覚的機能評価が可能になると期待されている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ