乳癌とα<sub>2</sub>-Ap glycoprotein

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タイトル別名
  • BREAST CANCER AND α<sub>2</sub>-AP GLYCOPROTEIN
  • ニュウガン ト アルファ2 Ap glycoprotein

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抄録

妊娠関連蛋白のひとつであるα2-Ap glycoproteinを乳腺疾患患者,胃癌患者についてLaurellの定量免疫電気泳動法によって測定した.対照とした健康成人男子は4.3%と低く,成人非妊女子は22.9%と諸家の報告に比し高値をしめした.良性乳腺疾患群では,乳腺線維腺腫は23.8%と成人非妊女子と差はなかったが,乳腺症では36.1%と高く,乳癌では47.0%であり,三者の間にはp<0.01で各々有意の差がみられた.乳癌を病期別にみるとI期45.2%, II期45.4%, III期47.0%であり, α2-Ap glycoproteinと病期との間には何ら差がみられなかった.他臓器癌としてIV期胃癌についてみると,男子57.3%,女子73.8%と乳癌群より高値をしめし, α2-Ap glycoproteinは乳癌に特異性のある蛋白とは必ずしも言えないものと思われた.しかし,乳癌のスクリーニングあるいは予後の追求の補助的手段としては,今後おおいに検討されるべきものと思われる.

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