痔疾患に対する凍結療法

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  • CRYOSURGERY FOR HEMORRHOIDAL DISEASES
  • ジシッカン ニ タイスル トウケツ リョウホウ

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抄録

痔核に対する凍結療法はLewisがはじめてその秀れた結果を報告して以来広く実施されるようになり,現在では痔核に対する外科的治療法の1つとして確立されつつある.<br>われわれは1977年1月から1979年6月までの間に165例の痔疾患に対し凍結療法を施行した.その疾患別内訳は,痔核143例,痔裂9例,粘膜脱4例, hyperplastic anal papillae 8例, skin tag 1例であった.<br>本法は原則として麻酔の必要がなく,手術侵襲も小さいので高齢者やpoor riskの患者にも安全に施行でき,術後愁訴や合併症も非常に少なく,術後早期に日常生活に入ることができる秀れた治療法と考えられた.われわれの経験でも特に処置を必要とした愁訴・合併症は165例中9例5.5%と非常に低率であった.<br>本法の問題点としてはskin tag発生と脱出の高度な痔核での術中術後の出血と術後の高度な腫脹があるが, skin tag発生は肛門皮膚部に氷晶が波及しないように注意することで予防でき,脱出の高度な痔核では,術中あらかじめ血管を結紮しておくことと,二期的に分けて凍結することで,安全に術後愁訴も少なく施行できると考えられた.

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