成鶏終脳 (the Wulst) 表面から記録した視覚誘発電位に対する線条体伝播性抑制の影響

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  • Effect of Striatal Spreading Depression on Visual Evoked Potentials Recorded from the Superficial Wulst of Adult Chicken
  • セイケイ シュウノウ the Wulst ヒョウメン カラ キロクシタ シカク

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抄録

ガラミン非動化成雌鶏に0.6 joule, 1Hzの閃光刺激をくり返し (5~50回) 与えると, その終脳表面 (Wulst) に11msec の短潜時 (peak latency) で応ずる短かい陽性成分 (P1), つづいて二, 三の小さな陰性-陽性成分 (N1, P'2, N2, P3), さらに40-60msecの潜時をもち比較的振幅の高い100~300μVの“N”陰性波, ついで90μV前後の緩徐な (140~280msec)“P”陽性波が反応加算解析装置 (ATAC501-20) 上に抽出•記録できた。次で, 25%KClを線条体に1~2μl注入して, 脳波上に伝播性抑制を誘発させ, その間の視覚誘発電位の変化を追究した結果, KCl注入後1分30秒で“N”陰性波および“P”陽性波はその振幅を減少し, 2分後では“N”陰性波の振幅は著しく減少 (約75%) し, 次でその振幅は漸増し, 5~7分後には投与前 (200μV) に近い値を示した。他方, 閃光刺激の直後に誘発される小さな陽性-陽性成分 (P1, N1, P2) の波形および振幅は明らかに伝播性抑制の影響を受けなかった。従って, “N”陰性波および“P”陽性波は高次線条体性あるいは皮質の電気活動を示し, 最初の小さな陽性-陰性成分は神経線維群のものと推察される。

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