雄鶏下垂体前葉の<sup>3</sup>H-テストステロンの取込み

書誌事項

タイトル別名
  • Uptake of [<sup>3</sup>H] testosterone by the Anterior Pituitary of Cockerels
  • オンドリ カスイタイ ゼンヨウ ノ 3H テストステロン ノ トリコミ ケンキ

この論文をさがす

抄録

白色レグホーン種雄鶏 (5週齢) に3H-テストステロン溶液 (30μCi/kg体重) を単独または非標識テストステロン (100.8μg/kg体重) とともに注射し, 注射5分後に下垂体前葉の前部腺体ならびに後部腺体, 大脳半球, 精巣上体および浅胸筋の各組織を採取し, エタノール (95%) で抽出した後, その放射能を液体シンチレーションスペクトロメータで測定した。また組織採取に先だち採取した血漿についても同様な測定を行なった。各組織の放射能取込量は各組織10mg当りの放射能値 (dpm) を血漿0.01ml当りの放射能値 (dpm) で除した値を100倍した値で表した。<br>3H-テストロン単独投与の場合の放射能取込量は, 下垂体前葉の前部腺体および後部腺体のいずれにおいても大脳, 精巣上体および浅胸筋の各組織よりも大であったが, 前部腺体と後部腺体との間に差異は認められなかった。3H-テストステロンとともに非標識テストステロンを投与した場合の放射能取込量は, 下垂体前葉前部腺体と精巣上体とにおいては3H-テストステロン単独投与の場合よりも有意に減少した。従って, これらの組織においてはテストステロンの取込みに対して標識テストステロンと非標識テストステロンとが競合を示すものと考えられ, これらの組織に特異的テストステロン結合物質が存在する可能性が示唆される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ