イカ肉の新しい利用法 (第二報)

• 松元 文子

• 吉松 藤子

• 大谷 朋子

抄録

1. 泡立に最適のイカ液の濃度はイカペースト(イカ肉1:水1):水の割合を6:4又は7:3の割合にしたのがよい。<BR>2. イカ液に食塩添加の時機はイカ肉蛋白の水和を促進させるために泡立前20時間位の時に行つた方がよい。<BR>3. イカ液の膨化力は膨化剤を粉の4%用いた場合よりも大であつて、泡のみの力でかなりよいスポンジ状が得られた。但しイカの泡はもろく、卵白の泡のように強くないから、材料を混ぜる時になるべく泡をつぶさないように注意する必要がある。<BR>4. 粉の使用量は薄力粉、中力粉いずれの場合も、焼仕上げ蒸仕上げ共、イカ液の50%～60%のものが最もよい成績が得られた。<BR>5. 砂糖の添加は無添加のものに比べて5%のものはやや成績がよく、10、15%は殆んど同じで20%になるとふくらみが悪くなる。<BR>油脂も5%のものは無添加と同じ成績であるが10%も入れると悪くなる。<BR>砂糖と油脂の共存はいずれも5%の時は無添加の時に比べてふくらみはやや悪かつた。<BR>6. 香辛料は肉桂粉、バニラ、胡椒、カレー粉、生姜汁、青のりはよく調和し、チトラール、ハッカ脳は調和しなかつた。<BR>7. 製品100gの栄養価は米飯に比べて、カロリーも多く良質蛋白質の含量も多く主食として栄養的にすぐれている。

収録刊行物

• 家政学雑誌

  家政学雑誌 8 (5), 223-226, 1957

  一般社団法人 日本家政学会

詳細情報

• CRID: 1390282681309566336
• NII論文ID: 130003717340
• DOI: 10.11428/jhej1951.8.223
• ISSN: 18847870
• ISSN: 04499069
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可